今日の散歩道(137)~紫苑(しおん)
青空を背景に薄っすらと紫がかった紫苑の花が咲いてます、今日も30℃を越えて、暑くなりそうです。
紫苑は背丈が2m近くと大きく成長、現世代人の好みに合わないのか、都市部で目にする機会は滅多に有りません。
この写真は、旧家を更地にした敷地の隅っこで、たまたま生き残っていたものです。
私の田舎では、お供え用として敷地の隅の半日陰の場所に植えている家が多く、お彼岸に向けて花が咲き始めるので、
お供えの色花として加えていました。 無人となった私の生家の庭には、誰にも見られる事もないのに、子供の頃に見たと同じ場所に律儀に、季節ごとに花を咲かせています。
紫苑は、東アジア原産のキク科の多年草で、本州から九州に掛けて湿った山地に分布、開発が進んだ現在は絶滅危惧種に登録されています。
元々は地下茎を乾燥させて薬用に使われていましたが、平安時代には花が見直されて観賞用として植えられる身近な
存在となり、「今昔物語」には「思い草」の名前で登場しています。
彼岸花と紫苑の花は、子供の頃からの、彼岸の時期の代表的な想い出の草花です。
山仲春男