今日の散歩道(163)~富有柿

渋抜きした柿だけが並んでいたスーパーの店頭に、今日から富有柿が並び始めました。

帰路に無人の家を覗くと、塀の内側に植わっている富有柿は少し色づきが遅れています、枝の剪定をせず、余分な実の摘果もしてない放置状態なので、通常サイズよりかなり小さいが、それでもこの様に実を付けてるので、今年の柿は豊作の年に当たるのでしょう。 私の郷里、奈良県五條市は柿の生産が日本一、郊外の丘陵部には一面の柿畑が広がっています。

殆どの家では、敷地内に自家用の柿の木を植えてあり、私の生家にも敷地内に柿の大木が何本か植わっていて、7月頃に「ヘタムシ」駆除の為の消毒(溶かした硫酸銅液と白い液剤を混ぜたもの)、竹竿で高い場所に噴霧するので、液剤をポンプで送るのが子供の役割でした。 柿が色ずく秋には、傷が無く形の良い物を選び、父が知人などに送っていました。

 

幼少時はスーパーもなく、魚は和歌山から汽車に乗って、大きなブリキ缶を背負って行商に来るオバサンが仕入れルートでした。 この和歌山の塩サバが五條で柿の葉と出会って、出来たのが「柿の葉寿司」です。 柿の葉には防腐効果があり、農繁期で忙しい時期には保存が効く柿の葉寿司を作る家庭は多く、柿の葉っぱで包んで仕込む木枠は皆さん保有していました。

今や順調に業容を拡大して、全国の有名百貨店に店舗を置く「柿の葉寿司本舗 田中」の本店は、元五條警察署の跡地に建っています。創業時は家族経営で、和歌山の鯖は今は脂の良いノルウェー産に入れ替わっている様です。

 山仲春男

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です