万葉の花々(19)~ひめゆり(ヒメユリ)~
夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の
知らえぬ恋は 苦しきものそ
大伴坂上郎女(おおとものさかのうへのいらつめ)
巻八 一五〇〇
現代語訳:「夏草の生い茂る中に混じって咲いている姫百合はなかなか気付かないものです。相手に知ってもらえない恋はつらくて苦しいものです。
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*姫百合(ヒメユリ)の花言葉は「誇り」
姫百合の開花時期は6月~7月。姫百合は7月1日、7月3日の誕生花です。
夏の花。花色はオレンジ、黄(キヒメユリ)。
*花名の由来
和名の「姫百合(ヒメユリ)」は、他のユリに比べてやや小ぶりで可憐な花姿に由来するといわれます。
英語では「Morning star lily(モーニングスターリリー)」と呼ばれます。
*花言葉の由来
花言葉の「誇り」は、ヒメユリの可憐ながらも誇りに満ちたその花姿にちなむといわれます。
*ヒメユリの名称・原産地
科・属名: ユリ科ユリ属
学名: Lilium concolor
和名: 姫百合(ヒメユリ)
別名: 光草(ヒカリグサ)、唐百合(カラユリ)、緋百合(ヒユリ)
英名: Morning star lily
原産地: 日本、朝鮮半島、中国、アムール地方
*ひめゆりの塔
沖縄県糸満市にあるひめゆり学徒・教師の慰霊碑「ひめゆりの塔」。
この「ひめゆり」とは花のヒメユリではなく、学徒隊の母校である沖縄県立第一高等女学校の校誌名「乙姫」と沖縄師範学校女子部の校誌名「白百合」を組み合わせたものです。
なお、沖縄県に広く自生しているユリはテッポウユリで、ヒメユリは自生していません。
ソフィア