今日の散歩道(188)~センダン(栴檀)
「センダン(栴檀)は、双葉より芳し」と言う故事は、広く知られてますが・・・・・・・・
大成する人物は、幼い頃から、人並み外れて優れたところが有ることの例えとして、平家物語に書かれたものですが、その故事の由来が子供の頃から不思議で成りませんでした。
*若葉を採って、手で揉んで匂いを嗅いでも、青臭い匂いだけで全然芳しくない。
*花は5月頃に咲くが,白く小さく地味でカスミが掛かったように見えるものの、観賞の対象外。
*晩秋に色づく果実も、シモヤケには薬効有るらしいが、不味くて食用不可、ただ単なる木の実に過ぎない。
何故このような樹木にその様な諺が結びつくのか…長年不思議に思っていました。
それが解ったのが近年に成ってからで、それは大きな勘違いから来てるとのことでした。
中国での「栴檀」は「白檀―びゃくだん」の事であり、白檀は香り高い香木として知られています、その一方で日本に自生する「栴檀」は、中国でいう「栴檀」とは、全くの別物です。平家物語の作者はこの辺りの事情を知らずにイメージだけで書いて仕舞ったと言う事です。尚白檀の若葉に、香気は有りませんので、これも香木の思い込みから來る間違いです。
日本の栴檀の木の実は、現在この様に色づき始めていますが、黄ばんだ葉っぱが落下して、木の実だけが目立つ頃になると野鳥達にとってのコンビニ状態になって群がり、食後に糞で放出された種がアチコチで芽生えてきます。
山仲春男