レンギョウ~想い出の花
ふだんは、福岡生まれの福岡育ちを名乗っている私ですが、細かく言うと、幼いころ父の転勤で、隣県の佐賀市に住んだことがあります。
佐賀駅から子どもの足でも歩ける距離ですから、街のどまん中ということになるのでしょうが、近所には田圃があり、道路にしゃがみこんで遊んだりしていました。
まだまだ、のどかな時代だったのです。
住まいは借り上げ社宅、庭も畑もありました。
その南側の庭の片隅に咲いていたのがレンギョウです。
同じ庭には、ほかに、ユキヤナギやホオズキも植わっていました。
みんな立派な大きさでしたから、母ではなく、前の住人か、お隣に住む大家さんが植えたのでしょう。
季節になると、黄色いレンギョウと白いユキヤナギが、ほぼ同時に花をいっぱいに咲かせます。
なぜか、私はこのレンギョウが大嫌いでした。
記事を書くにあたって、WEBで探してみたのですが、私の記憶にあるレンギョウは、もっと枝がしだれていて、花の色も毒々しいほどまっ黄色でした。
その黄色の花が、これでもか、これでもかというように満開になるのです。
もしかしたら、うんと幼いころに、レンギョウにまつわる怖い経験をして、それが心の底に沈んだのかもしれないと考えてみましたが・・・確かめようもありません。
アップにすると、こんな可憐な花ですし、漢方薬の材料に使われることもある有益な植物なのに、多分、私のレンギョウ嫌いは治らない気がします。
幸いなのは、佐賀を離れて以来、ン十年もレンギョウの花に遭遇したことがないことでしょうか。 (C.R)