秋の七草~薬草としての効能

正月明けに食べる習慣がある春の七草の「七草粥」はすっかりお馴染みですが、それに比べて秋の七草は馴染みが薄いですね。秋の七草は基本的には観賞用として愛でるもので、秋の風情を楽しむものでした。

ただ、食べられない訳ではなく、秋の七草を口にするときは薬用効果を求めて利用されていたのです。言い伝えられている効能を紹介します。

花名 効能
ハギ
(萩)
お彼岸にたべる「おはぎ」の由来になったとされる萩。
萩には、秋に咲く草という意味がある。萩は根っこの部分に薬用効果があり、咳止め・胃痛・下痢止めなどの効果があるとされる。
2 オバナ
(尾花)
(ススキ)
秋になり野山に入ればすぐに目に入るのがススキ。イネ科の多年草で日当たりのいい場所ではモリモリ生える。
歌にある尾花は、ススキの穂がでた状態が動物の尻尾に見えるため。このススキも根や茎に薬用効果があり、利尿作用があるとされる。
3 キキョウ
(桔梗)
桔梗も多年草で日当たりのいい場所に生える。花言葉には清楚や気品といった言葉が使われており、青紫色の花びらは日本人の好みに合うと言われる。桔梗も根に薬用効果があり、咳喉の痛みを和らげるとされている。
4 ナデシコ
(撫子)
昔は「大和撫子」、いまは「なでしこジャパン」で有名は撫子、どちらも日本女性を表す代名詞的な名前。
ただ、撫子自体の由来は「子供を失った親が形見として撫でた」ということで、ちょっと悲しいお話です。撫子は、煎じて飲めばむくみや高血圧に効果があるとされる。
5 オミナエシ
(女郎花)
花言葉が「美人」というなかなか強気なおみなえしだが、「恋に破れた女性が脱いだ衣服がこの花になった」という言い伝えもあり、その女性は身投げしたとされる。これも根っこに消炎作用があるとされている。
6 クズ
(葛)
葛は食品としても、薬用成分としても一度は口にしたことがあるのではないでしょうか。食品としては和菓子の原料となるくず粉として、そして薬用成分としては漢方薬として有名な「葛根湯」に使われている。その他薬用成分としては神経痛や肩こりにも効果があるとされる。
7 フジバカマ
(藤袴)
いまは絶滅危惧種に指定されている藤袴、その名の通り袴によく似た藤色の花を咲かせる。乾燥させると非常に香りが強く昔の人は入浴剤のような使い方をしていた。また乾燥させたものを煎じて飲めば糖尿病に効果があるとされる。

 

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