今日の散歩道(172)~セイタカアワダチソウ
青空を背景にセイタカアワダチソウの黄色い花が映えています。
この植物はキク科アキノキリンソウ属の多年生で、北アメリカが原産地、日本へは切り花・鑑賞用として明治末期の頃「わざわざ」導入され(別名で 代萩と称される)その後は帰化植物として日本全土で大繁茂しています。
この花を見ただけで、反射的に鼻がムズムズしてクシャミが出そうになり、「花粉症の元凶」と、思われるかもしれませんが、それは「大変な濡れ衣」の様です。 休耕田制度が導入された頃にその場所に一斉にセイタカアワダチソウの花が咲き、道路際や空き地等も含めて驚異的に黄色い花で埋め尽くされ、その頃に花粉症患者が急増した事で、その様な結びつけをされたのが遠因となっているようです。 風に乗って遠くまで花粉を飛ばす「風媒花」、例えば公園などで植樹されている雌雄異株のヤマモモは、1キロメートル以上離れた場所にある雄株が飛ばした花粉を受粉して果実が実った事が確認されています、所謂花粉症の原因植物はこの様な風媒花によるものです。
一方セイタカアワダチソウの場合は「虫媒花」で、花粉そのものが少なく、且つ比重が重いので、風で飛び難いため、花粉症との因果関係は認め難いと、幾つかの研究機関で発表されています。 セイタカアワダチソウに濡れ衣を着せていた実犯人は、外見が良く似た帰化植物で同じキク科の「ブタクサ」です。
すっかり嫌われ者のイメージが定着しているセイタカアワダチソウですが、花はハーブとして利用、デトックス作用のほか、アトピー性皮膚炎の改善効果が有ると、見方が変わりつつあるようです。
食べれる野草の本では、伸び始めの若葉はエグミも無いので食用に出来、お浸しや天婦羅で美味となっていますので、試してみられては如何でしょうか。私がセイタカアワダチソウが花粉症の犯人じゃ無いと、知ったのは近年になってからです。
山仲春男