万葉の花々(25)~すすき・をばな・かや(ススキ)~
万葉集 巻十~二一一〇
人皆(ひとみな)は 萩(はぎ)を秋(あき)と言ふ よし我(われ)は
尾花(をばな)が末(うれ)を 秋(あき)とは言(い)はむ
現代語訳:みんなは萩を見て一番秋らしさを感じていると言いますが、ままよ私は尾花こそが秋の風物だと言いたい。
*秋に対する世俗の理解に逆らって、すすきの美しい穂を強調した歌である。
*「尾花」の名前は、薄(芒:すすき)の花の形が動物の尾に似ていることからきたもので、「花芒(はなすすき)」ともいわれる。薄(すすき)の花が成熟すると綿状の毛束(けたば)になる。風にそよぐ姿は美しく、風に乗って飛んでいく様は幻想的でもある。
薄は十五夜に飾られる代表的な草花で、秋の七草の一つとして知られている。
また、薄を茅(萱:かや)とも呼ぶが、「茅(かや)」は刈屋根(かりやね)が本来の意味である。刈り取って屋根を葺(ふ)く草ということで、薄だけを指すものではない。
ソフィア
(参考:「やまと花万葉」東方出版 2010.4.28)
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(参考:「花図鑑」より「ススキ」)
学名 | Miscanthus sinensis |
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和名 | 薄、芒 |
別名 | オバナ、カヤ |
英名 | silver grass |
科・属名 | イネ科・ススキ属 |
原産地 | 中国、朝鮮半島、日本列島、台湾 |
花言葉 | 活力、生命力、心が通じる |
ススキは「オバナ」や「カヤ」とも呼ばれている山野草で、道端や草原、山地や空き地などで気軽に見つけられる植物である。耐暑性や耐寒性が強く初心者でも育てやすいのが魅力で、園芸用に品種改良された斑入り品種や、草丈の低い品種もある。
特徴
ススキは日本全国に自生している山野草で、秋の七草の一つである。日本の秋を象徴する植物としても親しまれており、中秋の名月の飾りとしても利用されています。9月〜10月にかけて白銀色の「風媒花(ふうばいか)」を咲かせる。風媒花とは花粉を風に運ばせるのが特徴で、目立たない小さな花を咲かせる植物が多い。ススキの稲穂部分が風媒花にあたる。
名前の由来
ススキの「スス」は「スクスクとまっすぐに育つ」という様子をあらわす。ススキの「キ」には「茎」や「草」という意味があり、植えっぱなしにしてもどんどん立派に成長していくため「ススキ」と名付けられた。また別名の「尾花(オバナ)」は、ススキの穂が動物の尾に似ているためにつけられた名前である。
花言葉
ススキには「活力」「生命力」「心が通じる」という花言葉がついている。ススキは耐暑性や耐寒性が強く、土質もあまり選ばず丈夫に成長する。そのたくましい性質から「活力」や「生命力」という花言葉がつけられた。